Tuesday, 21. October 2008, 00:29:44
memo, poetry
どこにも行ってほしくなかった
私と一緒にいてほしかった
あなたから受けた恐怖を
あなたと一緒にいることでしか
消せなかった
私を
責めないでください
悲しみの中だけで
必死に息をしていたけれど
ここには空気もありません
叫ぶだけの声も
流すだけの涙も
私には
もうありません
責めないでください
歩く力もない
私を
追い立てないでください
せめてあなたの腕の中で眠る
しあわせな夢だけを
私に
残しておいてください
もう叫びません
もう泣きません
だから夢だけは奪わないでください
こうしてあなたのことを思う
私を
責めないでください
Thursday, 25. September 2008, 23:21:12
poetry
宵闇の波の音だけ
静かすぎる夜に
葉擦れの音も聞こえない
自分の呼吸の音を頼りに
私は自分の喉に手を伸ばす
ここに何かが巣食って
寄生している
私に何かを言わせようと
そのために私をまだ死なせないのだ
私はあなたに何度も尋ねた
ここに何もないのか
本当に何もないのか
私の喉に
あなたは笑うが
私は自分の喉にまだ一人
誰かが住んでいることを感じる
私以外の何かが
命が
私の喉にもある
私はいくつかの命の上に生きて
自死を選ぶことはかなわない
自分の言葉のために
Monday, 15. September 2008, 08:25:00
poetry
フリージアもマグノリアも
終わってしまった
春が始まる
私の望まない時が流れ
私はまだ生きているのに
生まれ変われと急かされて
新しい命が与えられる
天与のものに抗うことは
誰にもできない
フリージアもマグノリアも
私も時も
Saturday, 6. September 2008, 02:12:08
poetry
填め込みの曇ったガラスから
春の陽光が差し込んで
ソファの上に規則正しく並んだ
患者を映す
お互いの目に
濁った光の中で
お互いを監視しているのだ
この戦場から誰も逃げ出さないように
逃亡は死だ
私たちは生き残るのだ戦いの末に
死を望む者はいない
敵が誰なのかも知らないまま
塹壕で対峙しているよう
身をこごめ息を殺している
春の陽光の下でも
患者は微笑むことはない
喜びにむせび泣くことも
彼らの疲労に濁った瞳は
ちょうど古びたガラスのよう
潤んだ光を映している
填め込みの眼球に
Saturday, 6. September 2008, 01:38:11
poetry
壁の向こうから誰かの嗚咽が聞こえてくる
この世の涯を見たかのように
恐怖に呻いている
窓の向こうから誰かのピアノが聞こえてくる
鍵盤の上で指が迷い
旋律は途切れ途切れだ
音のひとつひとつが際立って
何ひとつとして失われない
この病棟の中では
住人がすべての音を求めているからだ
誰のものでもない音を
いざ自分が泣く段になっても
それが誰のためなのか
誰も知らない
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