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heartland

I just write as my heart says.

Lovely 第46話 charm

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向かいの部屋の彼がベッドに入る前の最後の煙草を吸いに階段を下りていった。足音でわかる。私はベッドサイドテーブルの上の自分の携帯電話を取り上げて時間を確認する。日付が変わって1時前。今日は1時には寝ようと決めたのだろう。
私は布団を引き上げてカーテンの隙間から漏れる街灯の光から身を隠す。少しでも明るいと眠れないのだ。だから昼寝もしないし、電車でも飛行機でも寝ない。ときどき車の助手席で目を閉じているときはあるが、それはウインドスクリーンから真っ直ぐに差し込む光が眩しすぎるからだ。
細く開けた自分の部屋のドアの間から冷たい夜気に混じって彼の煙草のにおいが漂ってくる。彼の体からはいつもこの煙草のにおいがする。私はもう一度寝返りを打って、思い切って身を起こした。今夜はぞっとするほど寒い。このまま布団の間で頑張っていればそのうち眠れるだろうが、夢の始まる前にいつもの強迫観念が始まってしまいそうだ。
彼の足音が聞こえる。戻ってきたのだ。布団を跳ね除けてドアに向かう。
「まだ起きていたの?」
眼鏡を外しているのと家の明かりをほとんど落としてしまっているので、彼の輪郭がぼんやりと白い壁に映っているのが見えるだけだ。ガウンを着ているのかパジャマを着ているのかもわからない。ただ、彼の体から漂ってくる煙草のにおいが彼がそこにいることを知らせている。
「うん」
私はただ頷いて彼の影に向かって両手を差し出す。
「悪い夢を見ないように、おまじない」
「おまじない?」
素直に言えばいいのにと彼は笑いながら私の両手を自分の脇に通して私の頭をぐっと引き寄せる。彼の胸に額をこすりつけて私は頭を撫でてと懇願する。
「これもおまじないなの?」
「そうよ。私の頭に取り憑いた悪いものを払ってほしいの」
それができるのはあなただけなの。
「髪が濡れているよ…、きちんと乾かさないと」
悪夢より先に風邪を引いてしまう。
「平気よ」
暗がりの中でほとんど彼が彼なのかもわからない中、私は差し出した両手を受け取る人間にすべてを任せている。私には二つの目があるが明かりを点けて真実を確かめることはない。この弱さが、光から逃げる弱さが本当は悪夢を呼び寄せているのに、私はそれでも知らないふりをする。おまじないの方が簡単だからだ。彼の煙草は焚かれる香、優しい言葉は呪文の詠唱、彼は私の呪い師で私に不幸も幸福も与えてくれる。私は彼の言葉に翻弄されて当座の苦しみに喘ぐだけだ。

好きな曲 24 - Afraid(和訳)湖水

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